悲しみの回復を遅らせる罪悪感

 悲しみからなかなか立ち直れない原因として自責と後悔があります。例えば「もっと早くに病院にいっていれば」「別な病院に行くべきだった」「窓をきちんと閉めていれば」「あのとき出かけなければよかった」「手術なんてしなければ」「私のせいだ」など自分の選択がすべて後悔に変わります。動物たちは飼い主を選べないため、彼らの運命がすべて飼い主にかかっているからです。

 原因は病死だったり不慮の事故、或いは不注意による脱走だったかもしれません。傍らにいて私たちに命を預けていた彼らを思えば、たとえ大往生だったとしても少なからず「ああしてやれば良かった」「もっとこうしてやれば」という気持ちになるものです。しかし、後悔とは責めるべき対象が自分であるがために際限がないことから、自尊心や自己肯定感が歪められる原因となり悲嘆感情からの回復を遅らせることにもなります。

 たとえ、本当に自分に原因があったのだとしてもペットと過ごした愛すべき楽しい時間までをも、長い後悔と自責という苦痛の時間に費やすことで打ち消さないでください。紛れもなく、あなたがお世話をしたからこそ彼らがそこに居たのだという事を忘れないでください。

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