案外多いご相談です。あんなに可愛がっていた愛犬が亡くなったのに、母がさっさとリードや食器を片付けてしまった。或いは「お世話が大変だったし、居なくなって済々した」と言い始めた家族に怒りと戸惑いを感じている、といった内容です。同じ悲しみを体験したはずの身内に言われたとあっては相当なショックを受けてしまいますね。
なんてひどい事を言うお母さんなの?と思うかもしれませんが、家族といえどもそれぞれ違った価値観や経験値などによって、異なった反応を示す場合があります。例えば、歳を重ねることはそれだけ色々な別れを経験して、辛い思いをすることが多くなります。
しかし、喪失の体験は決して慣れるものではありません。でも、もう二度とあの辛さを味わいたくない、耐えられないという気持ちから無意識に防衛本能が働くことがあります。自分に起きた事は大したことではないと思い込む事で、自分の心を守ろうとする反応だと言えます。
更に、1年前に愛犬を亡くしたある親子が新しいワンちゃんを迎え入れた後のエピソードです。お母さんがこんな事を話してくれました。「前の子を亡くした悲しみと辛さが忘れられない。好きになり過ぎるとお別れの時がきたときに辛い。またあんな苦しい思いを経験するのが怖いという気持ちから、新しい子が自分にあまりなつかないで欲しいと思っている」と。
とはいえ、もちろんとても可愛がっているご様子でした。しかし、愛するペットを失うという事は、そう思わずにいられないほどの衝撃なのだと改めて実感したお話でした。
なんてひどい事を言うのだろうと思える言葉の裏にも、実はこういった愛情の裏返しともいえる複雑な感情が隠れている場合があるのですね。
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