視点を変えると景色が変わる

 もうすぐクリスマスですね。先日の夕方、2歳くらいの女の子がお母さんと住宅街を歩いていました。しばらくすると、どこかのおうちの外壁のクリスマスイルミネーションに見惚れて立ち止まってしまいます。そして、しきりに「キレイ!キレイ」と指さして、その場を離れようとしませんでした。街中にはもっとキラキラと華やいだものが溢れていますが、その女の子にとってはそれがとても感動的な光景だったようです。

 その様子を見た私は「そうか、この子はまだ人生の大きな楽しみや喜び、そして絶望に暮れるほどの悲しみや辛さも経験していないのか!」と、その無垢さが羨ましくもあり、ぐっと来た瞬間でもありました。しかし、どんな人生にも例外なく、幸せも不幸も訪れるものです。歳を重ねるほどに、必然的に色々な出会いや別れもたくさん経験する事にだってなります。

 私はこれまでに1匹の犬と4匹の猫との別れを経験しました。一番短い子は保護した野良猫です。年齢不詳でしたが我が家に来てから8年でお別れが来てしまいました。そして、一番長く暮らしたのは6月に旅立った20歳の猫です。8年や20年は人間にとっても十分に長い年月ではあります。
 しかし、人間の年齢に換算すると猫は4倍、犬は5倍のスピードとも言われています。つまり、人間の時間軸では20歳ですが、20歳の猫の感覚では96歳になるまで一緒に暮らした事になるのです。 

 つまり、私としては「まだ、これから続く人生の道半ばで最愛の猫を失ってしまった」と感じて、つい悲しみに暮れてしまいますが、96歳にしてみれば「与えられた猫生を飼い主の元で存分に生き切った」という事になります。もちろん、亡くした事は今でも悲しく辛い事実に変わりはありません。しかし、生まれて間もないころから96歳という彼女の猫生の全ての時間に関わる事が出来たのは、とても誇らしくて嬉しくもあり飼い主冥利に尽きるなぁと心から思う今日この頃です。

 一つの出来事であっても、どの視点で捉えるかによってこんなにも違う風景が見えるものなのですね。

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