無神経な言葉に傷つく

「え?なんだ、猫の事なの?」
「へ~、猫って12年も生きるんだ。長生きだね。」
「友達が子猫もらってくれる人探してるけど、飼わない?」
「動物なんてもう飼っちゃだめよ。先に死んじゃうんだから」  

 私が一人暮らしをして初めて飼った猫を亡くした時に周囲や親から言われた言葉です。ただでさえたった一人でペットロスという衝撃に直面したところに追い打ちをかけられたような気持ちでした。もはや誰一人理解者はいないのだと嘆きしばらくは同僚との何気ない会話すらできませんでした。そして、周囲からの誘いも断り続け、これ以上傷つかないために誰にも話さないようにしました。

 まっすぐに帰宅すると毎晩ひとりで思う存分悲しみに浸りましたが、外では感情を押し殺して頑張っていた分、誰にも邪魔されずに泣けるという事がホッとした気分にも似ていたかもしれません。敢えて、閉ざして味わうというのも悪くないなと感じました。

 人の反応はそれぞれです。例え家族であっても動物好きな人であっても自分と同じ考えや価値観であるとは限りません。思わぬ反応でがっかりすることもあります。誰が悪いわけでもなく、残念ながら彼らは私が望んでいた適切な言葉を持っていなかっただけなのです。  

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