ペットロスって何?

ペットロスとは「喪失する体験の事」

 最近ようやくペットロスという言葉も耳慣れたものになってきました。しかし、中にはまだ「ペットロスにならないためには」などと誤った認識をされている事もあります。ペットロスとは病気の名前でも症状でもありません。文字通りペットを失うことであり、ペットを飼っている人なら誰しもが経験する「伴侶動物を喪失する体験」のことです。

 家族同様の伴侶となったペットを喪失することは、耐えがたい悲しみであり心に苦痛を伴うものです。時には一時的な身体的不調や精神的不調が現れることもありますが、これらの症状は強いストレスに対処していこうとする正常な反応であり「ペットロスに伴う悲嘆反応」と言えます。

 人によっては親や兄弟、パートナーよりも長く生活を共にしてきた場合があります。彼らは私たちの生活を何倍も楽しくしてくれただけでなく、優しい気持ちにさせてくれたり頑張ろうという気持ちや勇気をたくさん与えてくれました。
 そんな対象を失えば、悲しみがそう簡単に癒えるものではないのは当然のことなのです。心にぽっかりと穴があき、普段何気なく見ていたペットフードのCMさえも直視できない。電車で誰かがペットの事を楽しそうに話題にしているのが聞こえてきて不意に涙が込み上げてくる。亡くなったペットを夢に見た朝「もうこの世には居ないのだ」と泣きながら起きてしまったなどペットロスを経験した人であれば少なからず思い当たる事だと思います。

 愛するペットを失った悲しみは消える事はありませんが、やがて現実として受け入れ、 楽しかった日々やたくさんの愛情や感動をくれたことに感謝しながら歩み出してゆくというのが悲嘆(深い悲しみ)の回復のプロセスです。数か月か数年か・・・個人差や状況も色々ですが自分のペースでゆっくり元気になれば良いのです。しかし、その悲嘆感情からなかなか抜け出せない場合は一人で抱え込まずに、カウンセリングなどの力を借りるのも一つの方法です。

 ただし、パニック障害やうつなどの症状が長期的に表れている場合は、医師など専門の医療機関の介入が必要になります。 

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