悲しみのプロセス

 愛猫が旅立ってから先週でちょうど4か月となりました。依然として押し寄せる悲しみの度合いから考えると、もう4か月も経ってしまったのかという感覚です。特に最初の頃は、亡くなる数日前からの苦しそうな姿や、息を引き取った時の衝撃的な場面が何度も何度も頭の中で再生されて、とても苦しい時間を過ごしました。なぜこんなことになってしまったのだろうと考えたり、なんとか時間が戻らないものかと到底叶わない事をぼんやりと考えていたりもしました。 

 我ながら驚いたのは、かかりつけの病院がある道を通った時「めるもはきっとまだ入院しているんだ。いま面会に行ったら会えるかな。」と現実離れしたことを考えている自分に気が付いた時です。こんな風に、喪失の衝撃というものは人の心に様々な反応を起こすものなのですね。

 ドイツの哲学者のデーケンは悲嘆反応のプロセスを12段階からなると提唱しました。私自身はまだ道半ばですが思い当たる段階もいくつかあるのでご紹介します。

① 衝撃
  (ショックで頭の中が真っ白になるなどの衝撃や、思考停止など麻痺状態)
② 否認 
  (何かの間違いだ!など、現実を感情と理性が受け入れられない状態)
③ パニック
  (死という受け入れがたい事実に直面し、不安や恐怖の状態に陥る)
④ 怒りと不当感
  (なぜ自分だけがこんな苦痛を受けなければならないのかという不当感)
⑤ 敵意とうらみ
  (周囲や亡くなった相手へ敵意やうらみなどのやり場のない感情をむける)
⑥ 罪意識
  (あんなことをしなければ 、 もっとこうしていればという自責感) 
⑦ 空想形成
  (故人がまだ生きているかのように思いこみ、そのように振舞う)
⑧ 孤独感と抑うつ
  (気分が落ち込んで深い孤独感に陥る、周囲との接触を避ける)
⑨ 精神的混乱と無関心
  (愛する対象を失った事で生きる目標を見失い、無気力・無関心になる)
⑩ 諦めと受容
  (現実をみつめて受け入れようと努力する)
⑪ 新しい希望
  (ユーモアや楽しみをみつけ日常を取り戻し、新しいステップを歩んでいこうとする)
⑫ 立ち直りの階段
  (悲しい体験をした事を糧に、より成熟したアイデンティティを獲得して歩み始める)

注)ただし、誰もがこの段階通りに進むわけではありません。繰り返したり、どこかに長く留まったり、順番が違ったり段階が飛ばされる事もあります。そうやって長い時間をかけて少しづつ快復していくことを表しています。

 こうしてみると確かに「うんうん、わかるわかる」と共感できる内容ですね。大切な命を喪失するという事は、私たちの心にこんなにも影響するものなのです。ですから、なかなか立ち直れない、元気になれないと思い悩む必要はないのです。文字にすると淡々と見えますが、決して単純ではないのも人の心です。次の機会にもう少し詳しく触れていきたいと思います。 

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