複雑な心理ー話すほどに悲しい気持ち

 数か月前、出先で偶然元同僚に会いました。特に親しくしていたわけでもないのですが、顔を合わせれば世間話をする程度の間柄です。その時も互いの近況などをざっくりと話したのですが、彼女から「猫ちゃん元気?今は何匹いるの?」と訊かれ、とっさに「3匹だよ」と答えてしまいました。実際は2匹なのですが。

 なぜ、そんなつまらない嘘をついたのか・・・!? 世間話の一環で気軽に訊いてきただけですから、2匹と答えたところでその彼女は「そうなんだー」と言って話題が終わるのもわかっていましたし、亡くなったといえばそれなりに共感してくれたとも思うのです。しかし、まだ他人に説明するほど心が癒えていない状態だったのです。まぁ、偶然会っただけなので、もちろんそこまで打ち明ける必要などないのですが。
 後に、2匹と口に出して言ってしまう事が嫌だったのだという心理に気が付きました。当時は、めるもを亡くして3ヵ月しかたっていなかったので、私自身がまだ認めたくないという気持ちの表れだったと思います。

 ところが、全く初めて会う人には普通に話せるのですから不思議です。最初から2匹といえば、亡くした事実を説明せずに済むからなんですね。つまり、感情を揺さぶられずにその場では平常心を保つことができるからなのです。
 辛い時期に状況を説明するのはとてもしんどい事です。悲嘆のプロセスの中に、孤独感と抑うつの段階があります。引きこもりが見られるのもこの頃です。色々訊かれるのが面倒、或いは元気に振舞わなければならないなど、人と会うのが億劫になったりもします。

 人に話すって意外とエネルギーが要るんですよね。そんな時はSNSのコミュニティやペットロスのシェアリングの会などがお勧めですよ。そもそも同じ想いの方が集まっているので共感を得やすい場所でもあります。
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