Aさん 「友人がペットロスからなかなか立ち直れないみたいです。私も半年前に愛犬を亡くしたのですが、今は新しい子を迎えることができて再び幸せな気持ちで過ごせています。友人にも元気になってほしいので勧めているのですが・・。」
Bさん 「まだ悲しんでるの?世の中には飼い主を待っている子がたくさんいるよ!と、言われてショックを受けてしまいました。」
Cさん 「半年しか経っていないのにもう新しい子を飼ったの?私は無理。と、言われてイヤな気持ちになりました」
このように、1つのエピソードであっても立ち位置が違うだけでこれだけの見方や考え方があります。つまり個々の価値観が違う事が要因で、それぞれが驚いたりショックを受けたりするのです。
Aさんは、自身が新しい子を迎える事でペットロスから救われたという実体験から、なんとか友人にも同じ方法で悲しみから回復する手助けができないかという気持ちでいます。しかし、悲しみの期間や回復の方法は人それぞれ個人差があるため、残念ながら自分の方法がすべての方に有効とは限りません。
友人が早く元気になってほしい気持ちは理解できますが、ご本人のペースで回復するのを寄り添いながら見守るのが一番の支えになります。
一方、Bさんはもっと助けなくちゃいけない命があるんだからいつまでもメソメソしてる場合じゃないよ!と、悲しんでいる事を否定されたうえに、プレッシャーも感じてしまいました。声がけした方は鼓舞するつもりの発言だったのかもしれませんが、結果的にはただでさえペットロスの悲嘆で心が弱っている時に更なる衝撃が加わった形です。
Cさんの場合も、相手の方の物差しで測られてしまい責められたと感じています。本来、早いとか遅いとかどちらが正解という事はありません。自分が新たな子を迎えたいと思ったら、その時がベストなタイミングなのです。自分の話やそこに至った経緯を知らずに相手の価値観だけで決めつけられてしまった事が嫌な気持ちの原因です。
では、ペットロスの悲しみの強さや感じ方が人によって違うのはなぜでしょうか。例えば、同じ1匹のワンちゃんをご夫婦で飼っていた場合でも、一日の大半を一緒に過ごす専業主婦の妻と仕事で留守がちな夫の生活パターンでは当然ペットとの関わり方やポジションが違ってきますね。
それぞれの性格や考え方だけでなく、個々を取り巻く生活環境や家族構成、ライフステージによっても大きく差が現れます。更に、ペットとの出会い方やお別れのタイミングなど様々な要素が加わることによって、ペットが果たしていた役割や関係性が人によって全く違うからなのです。
このように、こちらから一方的に見えている景色だけがすべてでは無いのですね。誰の気持ちを優先して話しているのかは、確実に相手に伝わるもです。『自分はどう思うか』『私だったらどうするか』ではなく、たとえ自分と違った方法や意見を持っていたとしても、その方がどんな気持ちでいるのかと想像することが共感する事への一歩なのだと思います。
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